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自由と不自由がごたまぜの社会主義国(2004/10/19 更新)
 高級ブランド・ショップの入ったデパートに、新車で買った外車の自家用車で乗りつけた若い男女のカップル、沢山買い物をし、帰りがけに大使館街近くのヨーロピアンタイプのバーで一杯飲んで(飲酒運転かよ!)、高層アパートにある3LDKの自宅に戻る。日本の話ではありません、北京の話です。
 上に挙げたような例は、全然珍しくありません。私の中国の知り合いや友人に、こんな人たちが何人もいます。しかも皆若い。もっとも全員が現金払いでこれらのものを購入しているわけではありませんが、仮にローンだとしても、収入がそれに見合ったものだということは確かなようです。
 こういう現実を直接目の当たりにすると、「本当に中国って社会主義国ですか?」と思うこともしばしば。
 今の中国は、お金さえあれば、何でも自由に好きなことが出来そうに思えてきます、そう傍目には。しかし実際には様々な不自由さがあります。
 例えば、北京に住むには政府の許可が必要です。知っていましたか?
 地方都市から北京に出稼ぎに来た人が、北京に永住しようとしても、実は簡単ではありません。地方の人が政府に内緒で北京に居住した場合はどうなるかというと、色々問題はありますが、まず第一に公共サービスが受けられません。自宅に、電気、ガス、水道、電話だって引けません。住所不定みたいなものですから、仕方ないですね。それに、「まともな仕事」にはまず就けません。就職時に身分証明書の提示を求められるからです。
 北京に住む許可を貰うことをよく"北京人"になる、なんていいます。この"北京人"になるには、単に北京の大学を卒業したからといって、そのまま自動的になれるわけでもありません。卒業後に"北京人"になるには、各方面に色々お願いして回らなくてはなりません。卒業後に"北京人"になれなかった人は、普通は生まれ故郷に帰ることになります。
 ほんの一例ですが、お分かりのように、中国には居住・移転の自由がないのです。
 日本は憲法で居住・移転の自由が認められているので、例えば、沖縄に住んでいる人が、飛行機に乗って北海道に行き、そこで住民登録することなんて簡単です。誰に許可を貰う必要もなく、自分ひとりで出来ます。それこそ短期間なら、大抵の国へビザ無しで旅行できます。チケットさえ取れれば、明日にでも飛べるでしょう。
 中国もだんだん自由になってきたとはいえ、日本から見るとまたまだ自由でないことが沢山あります。
 中国は今でも共産党(*)が市民生活や経済を"指導"してる国家です。今後とも経済発展していくと予想される中国で、どこまで自由な国になるのか、見守りたいものです。
*:実はこの"共産党(党員)"と一般市民との係わり合いを理解しないと、真の中国は見えて来ません。ここで少しだけ党員について解説します。
 中国には約6000万人程の党員が居ます。国民のだいたい20人に1人が党員ということです。中国で党員であることは名誉なことです。党員はエリートなのです。
 ただ日本的エリートと異なり、単に試験の点数が優れている人が党員になれるわけではありません。そうではなく、人格的に優れ、他の人民を生活面その他で指導できるような人物が、推薦を受けた上で晴れて党員になれます。
 つまり党員は人民の模範です。もちろん彼らは他の人民を指導するだけでなく、生活などに困っている人がいれば、手を差し伸べることもします。
 民間企業では従業員が党員か否かはあまり問われませんが、国営企業や政府、軍内部で出世するには、党員資格は必要条件です。そういうことなので、親は子供の将来を思い、子供たちが出来ることなら党員になれるようにと各方面に働きかけます。
 有り体に言うと、年配者の党員は口うるさい近所のおばさん、学生の場合は学級委員長か風紀委員のようなものです。この風紀委員(党員)、お節介なことに、学内で学生同士の恋愛を見つけようものなら、両者の間に入って「恋愛よりも勉学に勤しむ様に」指導するそうです(実話)。ちょっと、ひどい話じゃない?